気狂いピエロ(1965)

2019.8.20 DVD②

 

正直言って何度見ても辛いところが多い。ゴダールははっきりマチズモなところがあって、今作に関しても男であるジャン=ポール・ベルモンドにマッチョなロマンチシズムを託しているところに辟易とする。男が言葉と思想、女が音楽と感情?勘弁してくれ。

しかし、そんな男に、この映画は容赦なく拷問と愛する人の死を与え、自殺させる。この自殺の解放感がたまらなく好きだ。ラスト、顔を青く染めたジャン=ポール・ベルモンドが歩きながら叫ぶところが大好きで、何度も真似したくなる。最後の断崖での爆発→海のパンショットに、ちっぽけな希望を見るものは少なくないと思う。

辛い映画だし、何度見ても分からない。だけどもう一回見たい。映画とは困ったものだ。